2022
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SX(サステナビリティトランスフォーメーション)とは?わかりやすく解説
- 2022.03.29
- お知らせ
株式会社大目商店でございます。
現在、「SDGs」や「脱炭素」などの取り組みが普及拡大しており、世界全体が「持続可能な社会の実現」を目指してシフトしています。
企業においてもこれらの取り組みが求められるようになっており、持続可能性を重視した経営に転換し、これからの先の時代にあった新しい会社づくりを推進・構築しようとする「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」が注目されています。
今回は「SX」について、ご紹介します。
1.SXとは?
SXとは、その意味は「企業のサステナビリティ(企業の稼ぐ力の持続性)」と「社会のサステナビリティ(将来的な社会の姿)」の両立を踏まえた経営の在り方や対話の在り方を変革する戦略指針のことです。
2020年8月、経産省を主体とした「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会」が開催・その中で提示され、企業・投資家による議論や具体的な問題解決の方向性について示されました。
引用:経済産業省「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会中間取りまとめ概要」
2.SXとDXの違い
SXと同じく、現在、DX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性も認識され、様々な企業がDXの取り組みも強化しています。
では、SXとDXにはどのような違いがあるのでしょうか?
DXとは、「クラウドやIoT、AIなどのデジタル技術を活用し、新しいサービスや新しいビジネスモデルを顧客にマーケティング提供し、自社の事業と組織の変革などといった社員意識や制度改革をもデジタルで同期遂行し、他社と競争し、できるだけ早く優位性を確立すること」を指します。
つまり、DXは、他社よりもデジタル面において、できるだけ早く競争優位性を確立することが、大きな目的の一つとなっており、いわば、短期的な成果に結びつける取り組みです。
一方、SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)とは、企業の「持続可能性」とESG(環境・社会・ガバナンス)の両立を図る経営や、投資家との対話のあり方について変革するためのもので、長期的な持続可能性を重視した経営変革を確立し続ける取り組みになります。
3.SXはなぜ必要?
では、様々な企業が今、SXに取り組むべき理由はなぜでしょうか?
結論から申し上げますと、企業の長期的な利益獲得、いわば経営の維持のためにはSXへの取り組みが不可欠になっているからです。
長期的に利益を出し続けるためには以下3点が必要とされています。
①長期的に市場から求められ続けること
②長期的に供給(原材料、知財、人材など)を維持すること
③長期的に社会からも信頼され続けること
当然、市場が存在しても、企業の供給体制の維持や社会的な信頼が無ければ、事業を継続し続けることは不可能です。
2020年10月菅総理大臣の「2050年カーボンニュートラル」宣言をはじめとして、日本だけでなく世界各国でサステナブルな方向を目指す宣言や取り組みがとられており、今後もそれらの取り組みは拡大していくことが予測されます。
つまり、今後注目されるサステナブルな市場を見据え、供給体制を担保し、社会からの信頼を獲得し、同期し続けることが、結果的に長期的な事業存続につながるのです。
4.SXの実現に必要なダイナミックケイパビリティとは
SXの重要性はここまででお分かりいただけたと思います。では、実際にSXを実現するにはどのようなことが必要となるのでしょうか?
そこで注目されているのが、企業の組織内外の経営資源を再結合・再構成する経営トップや組織の能力としての「ダイナミックケイパビリティ」です。
この能力を高めることで、競争力の源泉につながり、SXを実現することが期待されています。
これまでの競争力の構成要素は、オーディナリーケイパビリティの「オペレーション」「管理」「ガバナンス」が中心となっていました。オーディナリーケイパビリティとは、同じ顧客に同じ製品・サービスを提供するために同じ技術を使い、同じ規模で企業が活動する能力のことを指します。この3つをしっかりとしていれば、企業経営として一定の効果を上げることができました。
しかし、新型コロナウイルス感染症など不確実性が高まる社会では、オーディナリーケイパビリティだけでは対応が難しくなっています。
そのため、企業は不確実性が高まる世の中の変化を読み解きながら、ダイナミックケイパビリティによる「感知」「捕捉」「変容」に着眼点を転換していくことが重要となっています。
5.SXを実現するためには?
SXを実現するには、どのようなことに注力すべきなのでしょうか?
経済産業省「サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会」では、以下の3点が紹介されています。
① 企業の稼ぐ力を強化し、企業のサステナビリティを高める
企業として稼ぐ力(強み・競争優位性・ビジネスモデル)を中長期で持続化・強化する、事業ポートフォリオ・マネジメントやイノベーション等に対する種植え等の取組を通じて、企業のサステナビリティを高めていくこと
②社会のサステナビリティを経営に反映させる
不確実性に備え、社会のサステナビリティをバックキャストして、企業としての稼ぐ力の持続性・成長性に対する中長期的な「リスク」と「オポチュニティ」双方を把握し、それを具体的な経営に反映させていくこと
③ 企業経営のレジリエンスを高める
不確実性が高まる中で企業のサステナビリティを高めていくために、将来に対してシナリオ変更がありうることを念頭に置き、企業と投資家が、①②の観点を踏まえた対話やエンゲージメントを何度も繰り返すことにより、企業の中長期的な価値創造ストーリーを磨き上げ、企業経営のレジリエンスを高めていくこと
つまり、これまでの企業の経営同様利益を重視しつつも、気候変動や資源枯渇で事業が続けられなくなってしまうというような状況に将来ならないように社会や環境への対策や対応を経営戦略に盛り込んでく必要があるということです。
そういった意味でも、今後を見据えた企業の「再生可能エネルギーの導入」への取り組みが求められます。
ぜひ、皆様も「SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)」の取組みとして、再生可能エネルギーの導入をご検討ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。