9月1日、上限価格10円が適用開始
予告されていた通り、2026年9月1日の実需給分から、需給調整市場の上限価格が15円から10円に引き下げられました(対象は一次調整力・二次調整力①・複合商品)。金額で5円、率にすると約33%の引き下げです。
2週間前に「収益性は大きく崩れない」という記事を書きましたが、実際の市場データを見ると、その見立てを裏付ける——いえ、それ以上に興味深い事実が浮かび上がってきました。
市場は、9月1日を待っていませんでした
ここが今回の核心です。ある調査によれば、上限がまだ15円だった7〜8月の時点で、すでに一次調整力の「15円張り付き」は83%から10%へと崩れており、8月の全国平均落札単価は9.80円——つまり9月からの新しい天井である10円を、実際の価格が先に下回っていたのです。
エリア別に見ると、中部・関西・中国・九州の価格は先に10円以下へ沈んでいたとされています。私たちの営業エリアである中国電力管内も、その中に含まれています。
- 上限価格は「天井」であり、実際の約定価格そのものではありません
- すでに競争によって価格は10円以下まで下がっていました
- つまり9月1日の引き下げによる実質的な変化は、多くのエリアで限定的だった可能性があります
- 影響が大きいのは、直前まで14円台を維持していた一部エリアに集中しているとみられます
なぜこうなったのか
背景には、今年3月に実施された前日・30分単位取引への移行があります。取引が細かく、直前になったことで応札が増え、競争が働くようになりました。実際、複合商品の不足率は前日取引化前の14.6%から5.3%まで改善したとされています。
市場に参加者が増え、競争が生まれ、価格が適正化していく——これは市場が健全に機能し始めた証とも言えます。制度側が上限を下げたのは、その流れを追認し、確実にする措置だったと見ることができます。
これから投資を検討する方にとっての意味
すでに稼働している蓄電所にとっては、収益単価の低下は歓迎できる話ではありません。しかしこれから参入を検討される方にとっては、話が違います。
「15円で3年で元が取れる」という時代の高い数字を前提にした提案は、もう成り立ちません。逆に言えば、現在の10円水準を前提に組んだ計画は、すでに下がりきった市場を出発点にしているということです。過去の好条件を前提にした計画より、はるかに現実的で堅い前提から始められます。
ただし、制度側は「10円で打ち止め」とは言っていません。次の水準として7.21円という段階案も示されています。だからこそ当社は、需給調整市場だけに頼らない収益設計をご提案しています。JEPXの値差取引、容量市場の固定収入を組み合わせる「レベニュースタッキング」であれば、ひとつの市場の単価低下が事業全体を揺るがすことはありません。
数字は、いつも堅めに置いてご提示します
当社の収益シミュレーションは、ネガティブ・スタンダード・ポジティブの3シナリオでご提示しています。制度変更は今後も起こり得るからこそ、堅めのネガティブシナリオでも資金計画が成立するかどうかを、ご契約前に必ず一緒に確認しています。
「上限価格が下がったと聞いて不安になった」という方こそ、一度実際の数字をご覧ください。前提条件を明記したシミュレーションを無料で作成します。販売中の物件一覧もあわせてご確認いただけます。
※本記事は掲載時点で公開されている資料・報道に基づいて作成しています。市場価格はエリア・時期・商品区分により大きく異なります。記載の価格データは特定期間の集計値であり、将来の価格水準を示すものではありません。収益シミュレーションは一定の前提に基づく概算であり、収益を保証するものではありません。